"Allégorie de la lumière" Art Column-光の寓意

ロココ絵画の代表者Corrado Giaquinto

 この度、ドレスのプリントには18世紀スペイン王室に仕えた画家、コッラード・ジアキントの作品「Spain pays homage to Religion and to the Church」をコラージュした。この作品はコッラードが1759年に描かれ、現在スペイン・マドリードにあるプラド美術館(Museo del Prado)に所蔵されている。

 コッラード・ジアキント(Corrado Giaquinto)は1703年イタリアに生まれ、彼は18 世紀前半のローマロココ絵画の最大の代表者の一人とも言われている。コッラードはイタリア、スペインにわたって、教会などで数多くの油絵とフレスコを制作し、宮殿スタッコのデザインや彫刻にも携わっていた。1753年にスペイン王フェルナンド6世に宮廷に招かれ、宮廷画家に任じられた。以降彼は「The Birth of the Sun and the Triumph of Bacchus」や今回プリントデザインで使用されたSpain pays homage to Religion and to the Church」などの宗教絵画を制作した。

スペイン君主制とカトリックの栄光

 作品「Spain pays homage to Religion and to the Church」は当時のスペイン君主制とその美徳、そして宗教とカトリック教会への敬意を表現する作品である。画面に描かれている人物たちとその持ち物には、それぞれ違う意味が込められている。

 画面は雲によって上下二つの世界に分けられている。上はスペインとカトリックの世界。中央にある祭壇を巡って、三人の女性と白い鳩が描かれている。祭壇の真上に光を放っている鳩は「聖霊」、左に天使から教皇冠をもらおうとしているのが「カトリック教会」、右に白いケープを身に纏い、手に十字架を持っているのが「宗教」、右下に戦士の服を着て、麦の穂を上の二人に捧げようとしている女性は「スペイン」。民族の好戦的な一面を表現するため、「スペイン」をローマ風の服と鎧を着ている女性として描く表現が、17世紀の絵画、彫刻では非常に流行していた。

 そして画面の下でトランペットを吹いている天使は、カトリック教会の栄光を世に広め、スペイン君主制の勝利と美徳を謳歌するという意味を表現している。


「聖霊」、「カトリック教会」、「宗教」、「スペイン」

トランペットを吹いている天使

知性的でロマンが潜むドレス

 この度のコラージュでは、色彩の華やかさを捨て、あえてカラーの油絵をモノクロにした。明暗の変化だけで画面に描かれた人物たちをより鮮明に見せ、シンプルなモノクロの世界にロマンが潜み、ミステリーで迫力のある黒で、当時の宗教絵画の雄大さを表現した。ドレスのシェープは19世紀ヨーロッパで流行していたハイウェストラウンド・ガウンの形を取り入れた。肩にはボリューム感を表現するため、明るい白のレースと透け感のある黒いシフォンなどをふんだんに使用し、三層デザインにした。そして胸元のカシュクールデザインを加え、デコルテをより細長く見せることができる。全体的に多様な素材で、黒の落ち着きに幾分の軽快さを添えた。

 真に優雅な女性は歴史を熟読し、博識で落ち着いていると同時に、生き生きとしてフレッシュな軽やかさを失わない。天に愛される服、知性的でエレガントな貴女へ捧げる。

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