"Caricature des chats d'Edo"-Art Column-猫の戯画-

才気煥発な歌川国芳

 この度ドレスのデザインでは、江戸時代後期に活躍した浮世絵師、歌川国芳の作品を取り入れた。江戸っ子の歌川国芳は、12歳の時に才能を認められ、当時の花形絵師であった歌川豊国の弟子となった。

 そんな彼が人気を集めたのが30代の頃だった。当時彼は中国の長編小説『水滸伝』を題材にし、シリーズ作品の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壱人)」を描いた。登場人物たちの勇ましい姿、目を奪うほど鮮やかな極彩色が江戸でブームを巻き起こし、国芳は“武者絵の国芳”と称された。以後彼は古今東西の物語に登場する英雄を描く絵や、美人画西洋の陰影表現を取り入れた風景画も多く描き、浮世絵の世界で名を遺した。


 『水滸伝』の孫二娘、魯智深

猫好きの国芳

 凜凜しい武者絵で名を立てた国芳が、実はとてもユーモアのある人だった。火事現場や喧嘩が大好きで、いつも大工のような恰好をしていると言われている。その面白い一面も影絵や戯画でよく表現されている。

 そして歌川国芳もまた大の猫好きだった。記録によると、国芳の家では常に十数匹の猫を飼い、絵を描いている最中も子猫を懐中に入れて制作を行っていた。その姿も、弟子の河鍋暁斎の記憶のもとに記録されていた。また愛猫が家を出た後、慌てて弟子たちを集め探した結果見つからず、とても悲しんでいたという逸話もあった。猫への愛情がじんわりと作品に染み込み、可愛いらしい猫ちゃんたちを擬人化の姿で登場させ、表情豊かで物語性に富んだ姿作品を多く残した。

 愉快奔放な作風、所々に潜まれるユーモア、じんわりと感じる猫への愛、それはすべて歌川国芳の魅力と言えるでしょう。そんな作品からも、彼はいかに生きることを楽しんでいるかを深く感じさせる。生活を愛し、生きることを心底から楽しむ人こそ、独特な視線で、人の心を踊らさ、楽しませるものを描けるのである。

歌川国芳が描いた猫

戯れる猫のように人生を謳歌!

 蹴鞠と戯れている猫、扇子を持って楽しく舞い上がる猫、逃げようとするネズミを狙っている猫、平安時代の宮廷婦人猫。皆はまるで舞台劇に登場するような様々なキャラクター。猫好きの歌川国芳の絵で、楽しい猫のワンダーランドが今君のためにドアを開いた。

 モダンで明快な二色展開に、柳色から灰緑、江戸紫から藤色のグラデーションを加えた。さらに生地と袖に縁起の良い日本伝統模様、「卍字」由来の紗綾形模様と、子鹿背中の白い斑から由来した鹿の子柄をプリントし、まさにモダンと伝統の絶妙なコンビネーションである。彩りのソックスやコサージュと合わせば、貴女をさらにダイナミックな姿へ導く。ボレロの羽織もので、肩と胸元の曲線をより優雅に見せ、貴女の女性美をアピールする。伝統とモダンの融合、ユニークで楽しんで着れるドレスである。

 世界は舞台であり、私たちはそこに立つ役者。長いような人生が本当は夢のごとく儚き、短いものである。さあ、遊ぼう!戯れる猫のように大胆で、楽しく、思う存分に生きることの素晴らしさを楽しもう!

江戸紫と柳色

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