ビクトリア朝-エレガントで重厚なドレス
「Chocolat classique」は、1850年代のイギリスビクトリア朝のドレスがインスピレーション源です。この時期ヴィクトリア女王の統治下で、イギリスは経済的な成長と工業の進歩が並行し、女性のファッションは多様性を迎えました。
当時ボリューミなスカートが流行し、人工ケージクリノリンの登場により大きなドーム型のシルエットが生まれました。これによって、ヒップを強調しウエストを細く見せる効果があり、コルセットとの組み合わせで砂時計のようなフォルムが作り出されました。
18世紀ロココ-豪華なRobe à la française
胸元のギャザーデザインは18世紀のロココ時代のドレス「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」にインスパイアされています。
「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」は典型的なロココ時代の女性服で、ペチコートや胸元の三角形スタマッカーなどで構成されています。刺繍や宝石が施されたスタマッカー、リボンやレースなどの交換によって、様々なスタイルにアレンジすることができるドレスでした。
「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」を身にまとった女性の象徴的なイメージとして、流行の導きもの、ルイ15世の愛人であり、マダム・ド・ポンパドゥールの肖像画が挙げられます。絵画作品では、フリルやリボン、絹の花で飾られた「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」を身にまとい、きわめて豪華で華やかな姿で描かれていました。
メトロポリタンミュージアム所蔵作品