"恋月姫✕Juliette et Justine" -Art Column-恋月姫人形「生死を跨る魂の導き手」

魂の器ー人形と恋月姫

 純粋で端正な顔、真珠のように白く透き通る肌、血色感のあるピンクの余韻。朝露のような艶やかで柔らかい唇。伏した瞼の下に冷たいグレーな瞳が潜まれている。その視線は誰にも向けず、まるで現実ではない遠い世界を見つめている、これが恋月姫の人形ガブリエル。

 恋月姫は1955年に北海道に生まれた。顔、人体の美に対する愛がこどものごろから続けられ、その愛が彼女を人形作家へと導き、1980年から正式に活動し初め、現在でも活躍している。

 人形はどの時代になっても私たちにとって特別な存在として見られてしまう。持ち主や作り手から伝えっ来るの感情が、冷たく生命の無い人形に、温もりのある魂を注ぐことと等しい。恋月姫にとっても、人形たちは彼女のインスピレーションの受け皿、魂が入れられた瞬間でやっと完成させる。そのような不思議な瞬間は年に数回しかない。美しい人形たちはまるで生死の堺に彷徨ってる存在のごとく、ただ静かに私たちとこの世界の変化を見つめている。

カプツィーナー納骨堂

 イエスの受難を表す十字架、神の使いである天使、権力の王冠。これらドレスで登場したモチーフは全てデザイナーが、オーストリア、ウィーンのカプツィーナー教会地下にある納骨堂からインスピレーションを得たもの。素朴な教会の下に、400年も続くハプスブルク家の人間たちが眠っている。重厚でバロック、ロココスタイルの装飾にまみれた石棺が帝国の栄光の証。天井のフレスコ画が極楽世界への神の召喚。皇帝と皇后が天使から星の冠を受ける彫刻は、創造者である神への敬意。ここは神とつながる場、死後の世界を見せ示す聖なる領域、入るものは誰でもその歴史の重みと威厳に心を動かすのでしょう。

プリントデザイン:生と死の世界ー光と闇

 神は「光あれ」と言い、光と闇が分けられた。光を昼と名づけ、闇を夜と名づけられた。光と闇、天界と地獄、人間の世界がどう変化しようとも、人形たちはただ目を細めて、静かに私たちを見つめる。冷艶な彼女たちは生死の間に彷徨う存在、神の使徒、孤独な魂を導く者。

   聖なるイエスの前で、天使たちが讃美歌を歌い、それを聞いた白鳥たちが飛び上がり、天界へ上った者たちに最大の祝福を与える。これがまさに光、ドレスル メイユールとガブリエルの世界である。

ドレス ル メイユールとガブリエル

 だが時に闇も訪れる。漆黒に染められ、恐怖と孤独の世界で亡者たちは絶望の地に陥る。しかし神の愛は無限である。純白な天使は希望の星を呼び、ステンドグラスは闇で輝く灯台のごとく、神の輝きを伝え続ける。光が訪れる前の闇は最も神秘的であり、ワクワクさせるかもしれない。闇の人形たちは黒を纏い、両手を開いて祝福の花を捧げ、彷徨う魂たちを見送る。これがドレスハニエル - ビス マンスとハニエル - ビスの世界である。 

ドレス ハニエル - ビス (カラーとモノクロ)

天使とステンドグラスのプリント

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