1.コルセット歴史
コルセットはファッションアイテムの一種として、古くからヨーロッパ大陸で使用されて来た。始めのとき、コルセットは保温や腰を守る保護具として登場し、時代の流れとともに、徐々に体の曲線を見せるための下着として、上流階級で流行り始めた。中世ヨーロッパでコルセットはブラジャーの役目があった。16世紀以降、女性の乳房を高く持ち上げ、腰の細さとの対比を強調するため、その内部に鯨骨やスチール製のボーンが入った女性下着へと変化した。そのコントラストを更に強くするために、コルセットパニエとの組み合わせが18世紀初頭に登場し、フランス革命期まで宮廷服に着用されて来た。
時代は19世紀に入り、コルセットが一般普及しはじめ、上流・中流階級の女性だけでなく、労働者階級の女性たちも着用し始めた。そして”理想の42センチ”のような異様な細さへの追求も風潮の一つとなり、健康への様々な悪影響を我慢しつつ、女性たちはウエストを引き絞ることに夢中になっていた。
2.コルセットの廃止とリバイバル
時代が20世紀初頭に入り、女性たちは社会進出と共に身体の開放を迎えた。第一次大戦後、ポール・ポワレやココ・シャネルなどのような偉大なデザイナーたちの努力で、女性の体を締め続けてきたコルセットは、捨て去られ、その代わりに新たな下着、ブラジャーが登場した。これで長い間風靡してきたコルセットが女性ファッションでの存在がどんどん薄くなっていった。
けれど、ウエスト本来の曲線美もまた女性美の一つである。そのため、コルセットはジェンダーや女性美を象徴するアイテムとして、1960年代からファッションアイテムの一つとしてリバイバルし始めた。
1991年ブロンド・アンビション・ツアーでマドンナが着用した、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul GAULTIER)のコルセット、パンクの美学と自由を表現するヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)や未来感溢れのティエリー・ミュグレー(THIERRY MUGLER)のコルセットがデザインされ、下着の表着化によって、コルセットに新たな命と存在の意味を与えた。
Juliette et Jsutine の L'esprit de la roseは、この長い女性の歴史を辿り、生まれながら美しい貴女に、着心地の良さを保ちながら、さらなるエレガンスと優美を獲得するための一品を捧げる。
3.L'esprit de la rose
薔薇の精霊のごとくに舞い、自分本来の曲線美に恋させるほどのコルセット。
胸元に薔薇のスカラップレースとシフォンフリルと優しい光沢感のあるパールボタンが、贅沢に施され、淑女ならではの輝きを語る。内側のピンタックで安心のフィット感を与えつつ、背中に伸縮性のあるギャザーと編み上げリボンがあらゆるボディーに順応し、微調整できる。二越縮緬の素材が独特な凹凸感で上品な質感を与え、クラシカルなドレスを思わせる、優美なシフォンのドレープが、優しく腰回りをデコレーションする。ボーンのように走るレースが、更にウエストの曲線美を演出する。色は二色展開。王道の黒:Noir、月と星の輝きを存分に浴びた、漆黒の薔薇のごとく、冷たく高貴な品格を示す。そして情熱の赤:Rose、匂やかに咲き誇る赤バラのように、愛の熱さを語り尽くす。
女性の曲線美を最大限に演出し、自分本来の美に気づかせ、自分に恋をする、この上なく優雅な一品。