"Mémoires à la fenêtre"-Art Column-メモワール・ア・ラ・ファノート-

『Le Garde-meuble』-華麗なフランス スタイルの世界

 彩り溢れる壁紙、ロココとバロック様式の家具、そして無数の美術品が空間を舞台として饗宴を奏でる。これがデザイナーが旅の時ヨーロッパの宮殿で眺めた光景だった。
 生活の隅々に美を纏い、美の光を浴びて、己を極みの芸術として彩る。そんな理念がデザイナーの心に浮かび、ドレスで表現したいという強い願望が心に残っていた。そんな時に『Le Garde-meuble』に描かれた絵と出会った。
 『Le Garde-meuble』は18世紀から19世紀にかけて出版され、フランス スタイルの美術や家具、インテリアデザインを記録し、紹介する隔月刊誌だった。王室のコレクションや宮廷の装飾、家具のスタイルなどが緻密に描かれ、当時フランスの宮廷や社会の趣向の一端を垣間見られる貴重な歴史的資料として高く評価されている。
 その中の特に優れた絵をプリントに生かし、歴史とファッションを結びつける贅沢な一着-Mémoires à la fenêtreが誕生した。

Mémoires à la fenêtre-あなたを最高の芸術品へ

 花と動物が織り込まれたシルクの壁紙、豪華で小ぶりな家具、色どりのドレープのカーテン。150年前貴族の部屋を描いたリトグラフをドレスに映し、繊細なブレードとラメ入りの裾チュールが飾られ、まるでおとぎ話の主人公になったかのような気分にさせる魅力的な存在。
 それを纏うと、体の仕草、話す言葉まで清らかなエレガンスを与える。日常を非日常に変える魔法のように、絵画の世界を通して、生活の隅々まで美を取り入れ、自身を最高の芸術品へと昇華させる。そんな特別なドレスをお楽しみに。

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