一着に、世界のすべてを宿す。

火・風・水・土──四大元素をまとう構築美。
18世紀の装飾芸術に込められた宇宙観を、
ドレスの中に封じ込めて。
静けさと崇高さが共鳴する、聖域のような一着。
プリントに選んだのは、
18世紀の装飾芸術家ダニエル・マロによる象徴的な図像。
四大元素─火・風・水・土─を表現する4枚の絵画を、
前後左右にそれぞれ配置しました。
前スカートには「風」と「火」、
後ろには「水」と「土」を
それぞれの要素が独立しながら、
共にひとつの世界を織り成します。
ローウエストのスカートは腰骨からやわらかく広がり、
構築的なシルエットにしなやかな動きを加えます。
肩まわりにはリバーレースとチュールを重ね、
腕を繊細に包み込み、
首飾りにはブレード装飾があしらわれ、
貴族的な気品を添えました。
色は、柔らかなホワイトと鮮やかなイェーローの2色展開です。
清らか、聖なる静寂に包まれた女性像をイメージし、
タロットカードの「女教皇」が象徴するような、崇高と知性、
触れることのできない精神的高みを想起させます。
華やかさを超えた、美の内奥へと至る装いです。