幸福は、思い出になる直前がいちばん美しい。

重ねた薔薇の庭、古い青、金の記憶。時間まで纏うためのドレス
かつて愛された薔薇の意匠を受け継ぎながら、今回はジャガードの織柄を新たに選び直しました。
プリントの物語はそのままに、薔薇を織り込んだ生地の艶と陰影が、
コルセットスタイルの端正な輪郭にいっそう深い奥行きを与えます。
過去の記憶を残しながら、素材の表情によって静かに成熟した一着です。
胸元からウエストへ収束する縦のラインと、
そこから大きくひらくスカート。
その対比が視線に錯覚を生み、ウエストを驚くほど繊細に見せます。
身体を変えるのではなく、見る人の視線に魔法をかけるようなドレスです。
Pink は、1872年に生まれたオールドローズ Reine Victoria から。
古い庭園に咲く薔薇のような、温もりと深みを帯びた色です。
Blue は、トマス・ゲインズバラ《Woman in Blue》のドレスから。
静かな青の奥に、肖像画の人物だけが持つ気品と距離を宿しました。
同じ薔薇を纏いながら、Pink は庭園の記憶、Blue は肖像画の静謐。
二つの色が、それぞれ異なる時代の美を映します。
